DX BOOSTER

株式会社竹中工務店

「お前それ本当にひとりでやったのか?」と社内でウワサに<br>~未経験でサイトのデジタルマーケティングをゼロから立ち上げた舞台裏~ キービジュアル

「お前それ本当にひとりでやったのか?」と社内でウワサに
~未経験でサイトのデジタルマーケティングをゼロから立ち上げた舞台裏~

「デジタルを戦略的に活用したいが企業内の知識が乏しい…」
「セミナーや研修に行ってみたものの、現場で得た知識をどう活用していいかわからない…」
「ここ数年でWeb売り上げの倍増を課されているがどうすれば良いのかわからない…」

デジタル技術で生活やビジネスを変革する【DX(デジタルトランスフォーメーション)】が注目される近年、企業ではデジタルマーケティング人材の育成・確保の悩みがつきません。

事業のDX推進において、技術や作業は外部ベンダーに依頼できても、そのベンダーからの提案を事業主がビジネス視点で判断しなければならないため、社内でデジタルリテラシーを持つ人材が不可欠になりつつあるからです。

竹中工務店様のような大企業も、複数のサイトを運用することが当たり前になり、専門の担当者が配属されるようになりました。そこで、ある日突然これまでデジタルに携わったことのなかった廣里様が、サイトの企画・運用担当に。

サイト分析関連のツールを使いこなすこと、そこから見えるデータから読み取ること、大企業ゆえの他部署連携の難しさ、そしてデジタルマーケティングのPDCA…。
廣里様が担当になったばかりの頃のそのようなお困りごとを共に解決した取り組みを取材しました。

インタビュー参加者写真

▼写真左より

廣里 成隆 氏
株式会社竹中工務店 技術本部 技術戦略部 技術外交グループ 副部長

杉山 健太
シナジーマーケティング株式会社 企画制作部 部長

鈴木 英利佳
シナジーマーケティング株式会社 企画制作部 コンサルタント

足立 龍
シナジーマーケティング株式会社 企画制作部 営業

※部署名・役職は取材当時(2021年6月)のものです


1. 現状が把握できないので、今後何をすべきなのかも見えなかった

竹中技術研究所サイト

足立 廣里様の担当されているサイトや業務内容を教えてください。

廣里様 千葉県印西市に「竹中技術研究所」という竹中グループの研究所があるのですが、そこが情報発信するためのサイトの企画・運営を行っています。竹中工務店には、深礎工法、地下連続壁工法、TOFT工法など数々の独自の工法・技術がありますが、竹中技術研究所はそれらを生み出してきた歴史のある研究所であり、未来の新技術や新工法を生み出すイノベーションの場としてさまざまな活動を行っています。

杉山 竹中工務店という会社のアイデンティティの根幹を担う側面もありそうな重要な研究所ですね。

▼緊急事態宣言下、新型コロナウイルス感染予防のため取材は遠隔で行いました

廣里様 はい。なので、サイトも会社としての活動や技術そのものについて対外的に情報発信するために立ち上げられていて、発信する情報・コンテンツの種類やターゲットが多岐に渡るんです。例えば、発信する情報が技術情報の場合はターゲットが建築物の発注者になり、会社の取り組みや活躍している人などの情報は就活生や弊社へ転職を考えている人がターゲットになる。

鈴木 ターゲットや目的が複雑なサイトは企画・運用も複雑で困難になりがちなんですが、デジタルマーケティングの経験なしでいきなりそんなサイトの企画・運用担当に配属されたんですよね。

廣里様 そうなんです(笑)。私が着任してまず取り掛かったのは、10年以上大幅な更新がされていなかった技術研究所のホームページを大幅にリニューアルすることでした。構想に約6か月、サイト制作に3か月という突貫作業でした。そのため、リニューアルされたサイトがターゲットの皆さんに見られているのか?魅力的なコンテンツとなっているのか?といったことが不安でした。そこでサイト分析の必要性を感じたんです。

足立 数字的な根拠がないと、サイトリニューアル後にどんな人がページに訪問して、どんなコンテンツを見ているのかが、わかりませんもんね。

廣里様 現状が把握できない・わからないので、今後何をすべきなのかも見えなかったんですよね。それぞれのターゲットに見てもらうにはどうすればいいのか、サイトを育成するにはどうすればいいのか、考えるための材料そのものがない状態でした。

杉山 着任後に一つのサイトを大幅リニューアルして、今後サイトをどうしていくべきか何のよりどころもない状態で、まずは何を実施されたんですか?

廣里様 とにかくサイト分析が必要だと感じたので、WebラーニングでGoogle Analyticsの初級講座を2回受講して全体概要を理解はできました。ですが、そのデータやアウトプットをどのように解釈し、次にどのような分析を行うべきかを考えるのは、一人では困難だと感じていました。

足立 なるほど。ツールとしてGoogle Analyticsをなんとなく使えるようになると、次は具体的にそのデータをどう活用すれば良いかで悩まれるお客様は多いです。

廣里様 はい。さらに、弊社独自の悩みもありました。冒頭でお話したとおり、弊社の場合、事業自体が多岐に渡るということもあり、会社として情報発信するときに、一部署の想いだけでサイトを立ち上げたりコンテンツを制作したりするのは難しいんです。

鈴木 社内のステークホルダーが多そうですね。

廣里様 そうそう。例えば『まちづくり』というキーワードでコンテンツを作ろうとなった場合、建物だけでなくその集合体、あるいはそこに住む人、まちの将来像など、研究所単体としてではなく会社全体として企画して見せる必要が出てくるんです。つまり、建物やまちをデザインする部署とも調整が必要になるんです。

鈴木 他社でも、コンテンツ制作で毎回広報部門の承認が必要になるケースが多いです。

廣里様 そのとおりです。弊社の公式コンテンツとして公開する以上、広報部との連携も欠かせません。そうやって周囲や他部署を説得する際に、これまでは漠然とした企画をもとに話を進めていて非効率だったんですよね。着任当時は、これにも頭を悩まされました。


2. レクチャーで得られたノウハウはすべてが新しいことばかりだった

杉山 もともと弊社は貴社の他部署とお付き合いがあり、そのつながりでご相談いただいたのと担当者から聞いています。

鈴木 ですね。「竹中工務店の別の部門のお客様にGoogle Analyticsのレクチャーをしてもらえないか?」と、弊社の東京にいる営業担当から相談がありました。

廣里様 当初は漠然と「Google Analyticsの別の講座を受ければもう少し理解が深まるのではないか」と思い、シナジーさんにご相談したんです。

鈴木 直接お話を伺うなかで、廣里様の場合はGoogle Analyticsのようなツールをマスターすることがゴールではないと感じ、あらためてDX BOOSTERをご提案しました。

廣里様 あれには目から鱗でした。ずっとツールさえ使えるようになればなんとかなると思っていたんですが違いました。極端に言うと、自分でツールが使えなくても良いんです。そこから得られる情報や数字をもとにサイトを分析し、より良いものにしていくことこそがやるべきことだと気付かされました。

杉山 DX BOOSTER の導入直後はいかがでしたか?

廣里様 この業務に就いたばかりの頃の私にとっては、DX BOOSTERのレクチャーで得られるノウハウはすべてが新しいことばかりでした。サイトの立ち上げ直後から伴走してもらった感じです。

▼初期分析で提出した資料から抜粋

初期分析で提出した資料から抜粋

鈴木 まずはじめに会社や組織、サイト全体に関するヒアリング、次に私たちプロの目線でサイトのデータ分析を実施、そして、その2つを合わせて今後の方針をディスカッションする【初期分析】を行いました。

廣里様 初期分析でサイトの課題を洗い出してもらえたのはすごく発見がありました。サイトの目的をもとに課題に優先付けをしていくヒアリングの課程で、私自身の頭の中も整理されて良かったです。また、Google Analyticsの使い方だけでなく、サイト戦略や分析の考え方も、実際に担当している「竹中技術研究所」のサイトを題材にレクチャーしてもらえたことで理解がしやすかったです。初期分析の結果も実データをもとにしたものがいただけたので、そのまま業務でも使うことができ助かりました。

▼レポートテンプレートとマニュアル

レポートテンプレートとマニュアル

足立 初期分析・コンサルティングの結果をもとに、実際に見ていくべき数字や解決すべき課題が整理できると、それをノウハウ化して定点的に観察できるサイトの【レポートテンプレート】に落とし込むこともできました。

廣里様 テンプレートに毎月Google Analyticsから抜き出した数字を貼り付けるだけで、定期的に正しい振り返りができるので、重宝してます。レポートそのものが課題にそってカスタマイズされているのでわかりやすいし、Google Analyticsの1画面で見られないような全体的なユーザー動向や、さまざまなデータ状況が見られるので便利です。そのまま社内報告でも活用していますよ。

足立 当初は何度かご質問いただいていましたが、Google Analyticsから数字を抜き出したり、ツールを使う点でのご苦労はなかったですか?

廣里様 レポートテンプレートに貼り付けるために数字を抜き出す方法がまとまった「Google Analyticsの使い方マニュアル」もいただけましたし、電話やWeb会議でサポートもしてくださったので、なんとかなりました。ツールを触るだけでも一苦労だった頃のスキルレベルにあった内容で、レポートを更新するために必要なポイントだけを押さえたマニュアルになっていたので、わかりやすかったですよ。レポートの内容が変わったりした場合も、マニュアルも合わせて更新してくださいました。また毎回のレクチャーはコロナの影響もあり、すべてWeb会議システムを使用していたので、レクチャー内容は録画に残すことができました。そのため、過去の録画データを見ながら月に1回の分析作業をすることができ、大変重宝しました。

足立 良かったです!ありがとうございます。

▼定例会で使った資料から抜粋

定例会で使った資料から抜粋

▼定例会も遠隔で実施しました

鈴木 最初の数か月は、数字を埋めた状態の「レポートテンプレート」をもとに毎月Web会議で【定例会】を実施したんですが、どんどんGAの使い方にも慣れていく廣里さんが垣間見られて心強かったです。

廣里様 ツールの使い方だけでなく、実際に毎月自分でレポートを作って、そのデータをもとに毎月定例会でコンサルティングを受けていると、自分でもデータからいろいろ読み取れるようになりました。変化していくデータから何をどう読み取るべきか・どう施策を改善すべきか、その考え方も自然とインストールできました。あとから定例会の録画を見ることもできたので、わからなかった点や数か月前の復習もしやすくて非常に便利でしたよ。


3. 「お前それ本当にひとりでやったのか?」と社内で話題に

▼廣里様が作成した社内報告資料の一部抜粋

廣里様が作成した社内報告資料の一部抜粋

廣里様 着任当初は漠然とサイトの企画や改良案を考えるしかなかったので、その内容に論理的な根拠が乏しく、他部署への説得材料としては非常に弱かったんですが、DX BOOSTERのレクチャーを受けてからはGoogle Analyticsの分析結果から効果的な改良点を具体的に導き出せるようになり、サイトの改良点を明確なエビデンスをもとに他部署に説明できるようになったので、社内の理解が得られやすくなりました。

杉山 レポートを使って社内報告をされた際、「お前それ本当にひとりでやったのか?」と言われたと聞きました(笑)。

廣里様 そうなんです。上司に疑われました(笑)。

足立 社内外問わず、お仕事を進めていかれるなかで他に何か変化はありましたか?

廣里様 他社に分析業務そのものを依頼することもありましたが、自分自身で分析に取り組むことで他社に対しても的確で合理的な発注を行えるようになったと感じます。そのおかげで、社内だけでなく社外の業者さんとのやりとりもスムーズになりました。シナジーさんとのやりとりも、当初と比べるとスムーズになったんじゃないでしょうか(笑)。

鈴木 定例会でも回数を重ねるたびに廣里さんの変化をメキメキ感じられて、私もすごく嬉しかったです。

廣里様 ありがとうございます(笑)。

杉山 サイト関連のお仕事で、DX BOOSTERで得られた知見をもとに今後新たに実施予定のものはありますか?

廣里様 2つあります。早速ですが、今回DX BOOSTERで抽出した課題をもとに、技術研究所サイト内の導線改善やコンテンツの追加を行うことが正式に決定しました。年内には完成予定なので、またご意見いただければ嬉しいです。もう1つが、技術研究所として今後注力していく『調の森』とういう特設サイトの分析と改善です。

足立 それは楽しみですね!今後もデータ活用の幅を広げる支援をさせていただければ嬉しいです。本日はありがとうございました!

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